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今金町美利河別

今金町美利河別(平成29年10月23日探訪)

今金町美利河別は昭和24年、外地からの引揚者や地元の二、三男の別家など美利河別川流域に入植した戦後開拓集落であった。

開拓地として本校(美利河小学校)から3,5キロから8.5キロの間に12戸が入植したが、積雪と人馬がようやく歩ける程度の道路条件の悪さであり、川には完全な橋もなく大雨や融雪期に流出する状態であった。
このことから本校からの通学が困難なため、昭和27年12月11日に美利河小学校美利河別分校が開校した。
学校の沿革をまとめると以下の通りである。

昭和27年 美利河小学校美利河別分校校舎落成(11月)
      同     美利河別分校開校(12月)
昭和31年 風車発電機設備完成(7月)
昭和41年 閉校(3月)

地元の方に尋ねると
『美利河別は今でこそ草木が生い茂っているが、元々はこんなに草木も生えていなかった。校舎の基礎は美利河別川から砂利と砂を採って、私が造った。』
『美利河別に神社はなく、お祭りは美利河と一緒にやっていた。』
『美利河別分校の校舎は閉校後、美利河市街に移築され地域の会館として使われていた。』と話してくれた。

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今金町立美利河小学校校舎。平成25年3月に閉校となった。

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校内には中学校の門柱が移設されて残っている。

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美利河駅跡地。跡地にはバス停留所がある。

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ここから先が美利河別である。
大雨の中、進む。

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広い草地の先に、サイロが残っていた。
集落の名残である。

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HEYANEKO氏からいただいた郵便地形図と照らし合わせる。
近くまで来ているが、学校跡は見つからない。

その時、一緒に訪れたラオウ氏が機転を利かせて地元の顔見知りのお宅へ行き場所を伺うことにした。
その結果、その方と一緒に案内していただくことができた。

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学校跡地。学校跡地は木々が生い茂っていたが、校舎の基礎がはっきりと残っていた。

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校舎の敷地内には、手押しポンプが残っていた。

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学校前の風景。
集落の痕跡も少なかったが校舎の基礎の存在も、知る人は少なくなってきている。

参考文献

郵政省1959「花石局郵便区全図 後志国瀬棚郡昭和34年5月15日現在」郵政省
今金町1994『今金町史下巻』今金町役場
今金町立美利河小学校閉校記念事業実行委員会2012『美利河 美利河小学校閉校記念誌』美利河小学校閉校記念事業実行委員会

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プロフィール

成瀬健太

Author:成瀬健太
北海道旭川市出身。札幌市在住。
元陸上自衛官。
北海道の地方史や文芸を中心としたサークル『北海道郷土史研究会』主宰。

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